投稿日: 2026年08月15日 【疑問】深夜や早朝に亡くなった場合でも、すぐに葬儀社を呼ばなければいけないのか?
深夜や早朝に、ご家族が亡くなられた。
その瞬間、多くのご遺族がまず考えるのが、
「葬儀社に連絡しなければいけないのでは?」
「こんな時間でも電話して大丈夫なのだろうか?」
「何から始めればいいのかわからない」
ということではないでしょうか。
突然のことで気持ちの整理がつかない中、しかも深夜や早朝となれば、なおさら冷静に判断することは難しくなります。
しかし、深夜や早朝だからといって、すべての場合に「今すぐ葬儀社へ連絡しなければならない」というわけではありません。
重要なのは、どこで亡くなられたのか、そしてどのような状況で亡くなられたのかです。
病院や介護施設で亡くなられた場合と、ご自宅で療養中に亡くなられた場合、そして突然死や事故などの場合では、最初に連絡を取る相手が異なります。
この記事では、深夜・早朝にご家族が亡くなられた場合に、まず何をすればよいのか、また葬儀社へ連絡する場合でも、最初の電話でどこまで決めればよいのかについて、状況別にわかりやすく解説します。
1.亡くなられた場所によって、最初の対応は変わります
ご家族が亡くなられたとき、最初に葬儀社へ電話するものだと思われている方も少なくありません。
しかし、実際にはそうとは限りません。
亡くなられた場所や状況によって、まず連絡すべき相手が変わります。
大きく分けると、
- 病院・介護施設で亡くなられた場合
- ご自宅で療養中に亡くなられた場合
- 突然死・事故・原因不明の急死の場合
の3つのケースがあります。
それぞれの初期対応を確認しておきましょう。
① 病院・介護施設で亡くなられた場合
最初に確認したいのは「搬送をいつまでに行う必要があるか」
病院や介護施設で亡くなられた場合は、死亡確認や必要な死後処置などが行われた後、故人を安置する場所を決め、搬送する必要があります。
そのため、病院や施設から搬送について案内を受けた場合は、葬儀社などへ連絡して搬送の手配を進める必要があります。
病院や施設によっては、霊安室や安置スペースを長時間利用できない場合があります。
「朝になってから葬儀社へ電話すればいい」と考えていると、病院側から「そろそろ搬送をお願いします」と案内され、かえって慌てることになりかねません。
そのため、深夜や早朝であっても、搬送が必要な状況であれば、葬儀社へ連絡して寝台車などの手配を行います。
ただし、ここで重要なのは、
「搬送の手配」と「葬儀全体の打ち合わせ」は別のものだということです。
深夜に葬儀社へ連絡したからといって、その場ですべての葬儀内容を決めなければならないわけではありません。
まずは、
「病院から搬送する必要がある」
「どこへ安置するのか」
という最低限の部分を決め、故人を落ち着いて安置できる状態にすることを優先します。
葬儀の日程や形式、費用、参列者の人数、料理や返礼品などの具体的な打ち合わせは、状況が落ち着いてから行えばよいのです。
② ご自宅で療養中に亡くなられた場合
まずは主治医や訪問看護など、現在の療養を担当している側へ連絡
ご自宅で療養されていた方が亡くなられた場合は、病院から搬送するケースとは対応が異なります。
この場合、まずはかかりつけ医や訪問診療を担当している医師、訪問看護ステーションなど、現在の療養を担当している医療側へ連絡します。
「呼吸が止まっている」「亡くなったようだ」と思っても、まずは医療側へ連絡し、医師による死亡確認を受けることが基本です。
医師が死亡を確認し、必要な書類の手続きが行われるまでは、自己判断で故人を動かしたり、搬送したりすることは避けましょう。
ご自宅で亡くなられた場合は、
「亡くなったと思ったから、すぐ葬儀社へ電話する」
のではなく、
「まず医師等へ連絡し、死亡確認についての対応を確認する」
という順番を意識することが大切です。
そのうえで、医師の到着を待っている間などに、葬儀社への連絡について準備しておくことはできます。
あらかじめ依頼する葬儀社を決めているのであれば、深夜・早朝の対応について確認しておくと、いざというときにも慌てずに済みます。
③ 突然死・事故・原因がわからない急死の場合
自己判断で故人を動かさないことが重要
突然、ご自宅などで亡くなられた場合や、事故、転倒などによって亡くなられた可能性がある場合、あるいは死因が明らかでない場合は、通常の療養中の看取りとは対応が異なります。
このような場合には、事件や事故などの可能性を含めて、警察や救急への連絡が必要になることがあります。
特に、主治医などによる看取りではなく、突然亡くなられた場合には、自己判断で故人を動かしたり、身体の状態を変えたりしないことが重要です。
必要に応じて警察による確認や検視等が行われることがあります。
この場合は、
「とにかく葬儀社を呼ばなければ」
と考える必要はありません。
まずは警察や救急など、状況に応じた機関へ連絡し、その後の指示に従います。
葬儀社への連絡についても、状況が確認されてからで問題ありません。
2.深夜や早朝に葬儀社へ電話するとき、最初から全部決める必要はある?
病院などから、
「今日中に搬送してください」
「霊安室を長時間利用できません」
などと案内された場合、深夜や早朝であっても葬儀社へ連絡する必要があります。
しかし、ここで、
「電話したら、そのまま葬儀のプランまで決めなければならないのでは?」
と心配される方もいるでしょう。
基本的に、最初の電話で必要なのは、搬送と安置に必要な情報です。
たとえば、次のような内容を伝えれば、まずは搬送の相談を進められます。
最初の電話で伝える主な内容
1.亡くなられた方のお名前
故人のお名前を伝えます。
2.現在いる場所
病院名、施設名、あるいはご自宅の住所など、現在地を伝えます。
3.搬送後の安置場所
ご自宅に安置するのか、葬儀社の安置施設などへ搬送するのかを相談します。
4.連絡者の氏名と電話番号
葬儀社が搬送について確認するため、連絡者の情報を伝えます。
これらを伝えたうえで、搬送の時間や方法などを確認します。
つまり、深夜の電話で必要なのは、まず**「故人を現在の場所から、どこへ、どのように搬送して安置するか」**という部分です。
3.深夜の電話で、葬儀の内容まで決める必要はありません
ご家族が亡くなられた直後は、葬儀について考えるだけでも大きな負担になります。
特に深夜や早朝であれば、長時間起きていることで疲労も蓄積しており、突然の出来事による精神的なショックも重なっています。
その状態で、
「葬儀は何人ですか?」
「どのプランにしますか?」
「料理は何人分にしますか?」
「返礼品はどうしますか?」
「予算はいくらですか?」
といった具体的な話を一気に進める必要はありません。
まずは故人を適切な場所へ搬送し、安置する。
その後、少し時間を置いてから、葬儀について考える。
それで構いません。
葬儀社によっては24時間対応を行っているため、深夜でも搬送について相談できる場合があります。
しかし、24時間電話を受け付けていることと、24時間いつでも葬儀の全内容を決めなければならないことは別です。
深夜は搬送と安置に必要な最低限の確認を行い、具体的な葬儀の打ち合わせは翌日の日中に行う、という進め方もできます。
4.「搬送だけ」を依頼することもできます
もう一つ知っておきたいのが、故人の搬送を依頼する葬儀社と、実際に葬儀を依頼する葬儀社を必ずしも同じにする必要はないということです。
たとえば病院から、
「本日のうちに霊安室から移動してください」
と言われたとします。
しかし、ご家族としては、まだ葬儀をどの葬儀社に依頼するのか決めていない。
このような場合には、まず搬送・安置について相談し、その後に葬儀について検討するという方法があります。
もちろん、搬送を依頼する際には、料金や安置場所、搬送後の扱いなどについて確認しておくことが大切です。
「搬送を頼んだ=その会社に葬儀を依頼しなければならない」
と最初から決めつける必要はありません。
ただし、葬儀社によって契約条件や搬送後の取り扱いは異なるため、搬送を依頼する際には、**「搬送のみをお願いしたい」「葬儀については後日相談したい」**という意向を明確に伝えておくと安心です。
5.なぜ深夜・早朝に葬儀を即決しないほうがいいのか?
ご家族が亡くなられた直後は、誰でも冷静な判断が難しくなります。
特に深夜や早朝の場合は、突然の知らせによる精神的なショックに加え、睡眠不足や疲労も重なります。
そのため、葬儀について何もわからない状態で、短時間のうちにすべてを決めてしまうことには注意が必要です。
葬儀は決して小さな買い物ではありません。
葬儀の形式、会場、人数、料理、返礼品、祭壇、供花、火葬場など、決めることが数多くあります。
そのため、
「病院から早く出なければならない」
「何をすればいいかわからない」
「とにかく誰かに任せたい」
という気持ちのまま、葬儀全体を一気に決めてしまうと、後になって、
「思っていたより費用が高かった」
「希望していた葬儀と違った」
「必要だと思っていなかったものまで追加されていた」
などと感じる可能性があります。
だからこそ、深夜・早朝は**「今すぐすべてを決める時間」ではなく、「まず必要なことだけを済ませる時間」**と考えることが重要です。
6.深夜に葬儀社へ電話するときは、まず「搬送と安置」を考える
ご家族が亡くなられた直後は、葬儀のことを考える前に、まず故人をどうするのかを決める必要があります。
病院や施設であれば、搬送先を決めなければなりません。
ご自宅であれば、医師による死亡確認など、状況に応じた手続きが必要です。
突然死などであれば、警察等への連絡が優先される場合があります。
つまり、
「亡くなったら、まず葬儀社」
と一律に考えるのではなく、
「亡くなられた場所と状況を確認し、その場面に応じた相手へ連絡する」
ことが大切です。
7.日中になってから、葬儀について落ち着いて考える
故人を無事に安置できたら、そこから先は少し落ち着いて考える時間を作りましょう。
葬儀社との具体的な打ち合わせでは、
葬儀を行う場所
葬儀の形式
通夜・葬儀の日程
参列者の人数
火葬場
葬儀全体の費用
祭壇や棺などの内容
料理や返礼品
宗教者への依頼
その他必要となるサービス
などを順番に確認していきます。
この段階では、わからないことをそのままにせず、一つずつ葬儀社に確認してください。
特に費用については、「基本料金」だけを見るのではなく、何が含まれていて、何が別料金なのかを確認することが重要です。
葬儀社から見積もりを提示してもらい、内容を確認したうえで判断しましょう。
まとめ|深夜や早朝に亡くなられても、すべてをすぐ決める必要はありません
深夜や早朝にご家族が亡くなられた場合、「今すぐ葬儀社を呼ばなければ」と焦ってしまうのは無理もありません。
しかし、重要なのは、深夜だからといって葬儀のすべてをその場で決める必要はないということです。
まずは、亡くなられた場所と状況に応じて、必要な初期対応を行いましょう。
病院・介護施設で亡くなられた場合
搬送が必要であれば、深夜・早朝でも葬儀社などへ連絡して搬送の手配を行います。
ただし、最初の電話では、まず搬送先や安置場所など、必要最低限のことを決めれば構いません。
ご自宅で療養中に亡くなられた場合
まずは主治医や訪問診療、訪問看護など、療養を担当している医療側へ連絡します。
医師による死亡確認など、必要な手続きを確認してから、その後の搬送や葬儀について考えます。
突然死・事故・原因不明の急死の場合
自己判断で故人を動かさず、状況に応じて警察や救急などへ連絡します。
事件や事故などの可能性がある場合は、葬儀社への連絡を急ぐよりも、まず必要な確認を受けることが優先されます。
そして、病院などから搬送を急ぐよう案内された場合でも、
「搬送・安置」と「葬儀の契約」は分けて考える
ことができます。
深夜の段階では、まず故人を適切に安置することを優先し、葬儀の形式や費用、参列者の人数などについては、翌日以降、少し落ち着いてから検討しても遅くありません。
大切なご家族を亡くされた直後だからこそ、すべてを一度に決めようとする必要はありません。
「今すぐ必要なこと」と「翌日以降に考えればよいこと」を分ける。
それだけでも、ご遺族の負担は大きく変わります。
深夜や早朝の逝去であっても、まずは必要な搬送や安置など、目の前の手続きを一つずつ進めてください。
そして、葬儀そのものについては、できるだけご家族が落ち着いてから、希望や費用を確認しながら決めていくことが大切です。