投稿日: 2025年10月02日 【知っておきたい】ご遺体の安置に欠かせない「ドライアイス」と「保冷庫」の違いとは?
ご逝去後、法律の定めにより24時間以上経たなければ火葬ができません。そのため、お通夜やお葬式までの間、ご遺体を「ご自宅」や「専用の安置所」で安置する必要があります。
安置の際、ご遺体の腐敗を防ぎ、生前の姿をなるべく保つために欠かせないのが「保冷処置」です。ここでは、保冷処置として一般的に用いられる「ドライアイス」と、施設などで利用される「保冷庫(霊安室)」の違いを詳しく解説します。
1. ドライアイスによる処置:ご自宅でも可能な一般的な方法
ご遺体の保冷処置として、多くの葬儀で用いられるのがドライアイスです。
ドライアイス
: 特徴: 約 −78.5
∘
C の極低温でご遺体を冷やし、腐敗を遅らせます。主にご自宅や、専用の設備がない簡易的な安置施設で利用されます。
: 処置方法: ご遺体の胸やお腹を中心に、直接肌に当たらないようタオルなどで包んで置かれます。
: メリット: 費用が比較的安価で、専用設備がない場所でもすぐに使用できます。
: デメリット:
* 気化して小さくなるため、1日1~2回程度の定期的な交換・追加が必要です。
* 長期間の使用で皮膚が黒ずむ「ドライアイス焼け」のリスクがあります。
* 気化により二酸化炭素濃度が上がり、換気が必要となります。
2. 保冷庫(霊安室)での安置:確実な温度管理が可能
葬儀社の安置所や専門施設に備えられた、ご遺体を専門的に保管するための設備が保冷庫(霊安室)です。
保冷庫(霊安室)
: 特徴: ご遺体の状態に合わせて一定の温度に設定・管理されるため、安定した状態で保管できます。
: 処置方法: 専用の保冷設備・冷蔵設備の中に棺ごと安置されます。ドライアイスのような交換作業は基本的に不要です。
: メリット:
* 安定した温度で保管でき、腐敗の進行を遅らせる効果が高いです。
* ドライアイス焼けなどのご遺体への負担を軽減できます。
* 長期間の安置に適しています。
: デメリット:
* 専用の安置施設でしか利用できません。
* ドライアイス代とは別に、**施設の利用料(安置料)**が1日あたりで発生します。
3. まとめ:安置場所と期間に合わせて最適な方法を
どちらの方法も、故人様を安らかな姿で送り出すために大切な処置です。
安置期間が短い(2〜3日程度)場合や、ご自宅での安置を希望される場合は、ドライアイスが一般的です。
安置期間が長い場合や、ご遺体の状態維持を最優先したい場合は、保冷庫のある葬儀社の安置所が適しています。
ご遺族にとって、故人様のお姿を安らかに保つことは非常に大切なことです。安置場所や火葬までの日数、そして故人様の状態によって最適な処置方法は異なりますので、必ず葬儀社とよく相談して最良の方法を選択しましょう。