投稿日: 2025年04月03日 火葬式とは
火葬式とは、通夜や告別式といった一般的な儀式を行わず、火葬を中心に簡易なお別れを行う葬儀形式です。直葬(ちょくそう)と似ていますが、直葬が「火葬のみ」であるのに対し、火葬式では参列者が棺に花を手向ける、お棺に愛用品を納める、場合によっては僧侶による読経を依頼するなどの時間を持つことができます。
従来の葬儀よりも費用を抑えつつ、最低限のお別れの時間を確保できるため、近年選ばれることが増えています。
火葬式の特徴
1. 儀式を省略しつつも最低限のお別れができる
一般的な葬儀のような通夜や告別式は行いませんが、火葬前に参列者が故人に花を手向ける、お棺に愛用品を納めるなど、最後の時間を持つことができます。
2. 僧侶の読経を依頼することも可能
菩提寺との関係によりますが、僧侶を呼んで読経をお願いすることもできます。読経があることで、宗教的な儀式を重視する方にも受け入れられやすくなります。
3. 参列者は身近な人に限定されることが多い
火葬式は身内やごく親しい人のみで執り行われることが一般的です。そのため、大規模な弔問客対応が不要で、遺族の負担が軽減されます。
4. 費用を抑えつつ、心の整理ができる
一般的な葬儀に比べると費用が安く、火葬のみの直葬よりは気持ちの整理がつきやすいという点で選ばれることが多いです。
火葬式の流れ
ご遺体の搬送と安置
病院や自宅で亡くなった後、葬儀社がご遺体を搬送し、安置します。
自宅や安置施設にて、枕飾り(簡易的な祭壇)を設置する場合もあります。
火葬の手続き
死亡診断書をもとに、役所で火葬許可証を発行してもらいます。
火葬場の予約を行い、火葬式の日程を決めます。
火葬前のお別れ
参列者が集まり、お棺に花を入れるなどの簡単なお別れの儀式を行います。
希望に応じて僧侶を招き、読経を依頼することも可能です。
火葬
火葬炉へお棺を納め、火葬が行われます(所要時間:約1?2時間)。
遺族は火葬中、待合室で待機します。
拾骨(収骨)
火葬後、遺族が遺骨を骨壷に納める儀式を行います。
遺骨は自宅で安置するか、墓地・納骨堂に納めます。
火葬式のメリット
1. 葬儀費用を抑えられる
一般的な葬儀に比べ、通夜や告別式がないため、祭壇・会場費・接待費などの費用を削減できます。
2. 葬儀にかかる時間と負担を軽減できる
従来の葬儀は2日以上かかるのが一般的ですが、火葬式は1日で完結するため、遺族の負担を軽減できます。
3. 簡単ながらも故人とのお別れができる
直葬では火葬のみでお別れの時間がほとんどありませんが、火葬式では花入れや読経などの機会があり、遺族の気持ちを整理する時間が持てます。
火葬式のデメリット
1. 一般的な葬儀と比べるとお別れの時間が短い
火葬前の短い時間でのお別れになるため、ゆっくりと故人を見送りたいと考える方には物足りない場合があります。
2. 菩提寺の許可が必要な場合がある
火葬式では従来の葬儀儀礼を行わないため、菩提寺によっては納骨を拒否される場合があります。事前に菩提寺へ相談し、火葬式で問題がないか確認しておきましょう。
3. 親族の理解が得られない場合がある
年配の親族の中には、簡素な葬儀に抵抗を感じる人もいます。親族の理解を得るため、事前にしっかり説明しておくことが大切です。
火葬式を選ぶ際の注意点
1. 葬儀社によっては「直葬」と同義の場合があるため、事前確認が必須
火葬式は一般的に「火葬前に簡単なお別れの時間を設ける」ものですが、葬儀社によっては「直葬(火葬のみ)」と同義として扱われる場合もあります。
そのため、事前に葬儀社に以下の点を確認することが重要です。
火葬前にお別れの時間があるか
僧侶の読経を依頼できるか
火葬のみの「直葬」ではないか
2. 菩提寺への相談が必要
菩提寺のある方は、火葬式で納骨できるかどうかを確認しておきましょう。読経を依頼することで納骨を認めてもらえるケースもあります。
3. 親族の同意を得る
火葬式は近年増えているとはいえ、すべての親族が納得するとは限りません。事前に親族と話し合い、理解を得ておくことが大切です。
4. 役所や自治体の制度を確認する
自治体によっては葬祭費の補助が火葬式でも適用されるかどうかが異なります。事前に確認しておきましょう。
まとめ
火葬式は、一般的な葬儀より費用を抑えつつ、最低限の別れの場を設けられる形式です。ただし、葬儀社によっては直葬(火葬のみ)と同義とされることもあるため、事前に詳細を確認することが重要です。
親族や菩提寺と相談しながら、適切な形で故人を見送れるよう準備を進めましょう。