最終更新日: 2023年11月19日 家族葬へ呼ぶ親族・友人はどこまで?
コロナ禍以来、家族葬で故人様をお送りするご遺族が増えています。
近年では大手葬儀社も「家族葬」のプランを用意し執り行うことが当たり前になっています、そんな中「家族葬」を執り行うご家族で比較的多く悩まれていたのは「どこまで(何親等)呼べばよいのか」といったことでした。
ここでは民法や親等についてを交え解説していきますので参考になれば幸いです。
家族葬の定義
正確に言えば「家族葬」に明確な定義はありません。 コロナ禍以前からそう呼ばれる葬儀プランはありました、恐らく各地で自然発生的に親族だけによる葬儀プランが発生し、その規模からそう命名されたものがコロナ禍により一気に広まりご葬儀の一つの形として定着したのではないでしょうか。 そんなことから定義と呼べるものはなく、地方や葬儀社により葬儀内容が異なることもあり、親族を中心とした小規模のお葬式といった定義しかないのが現状です。
家族葬の家族はどこまでか
家族=一般用語としての家族からすれば、大まかに言えば遺族となりますがそこに親族を加えることになります。
あまり知られてはいませんが親族には法律で明確な線引きがあり、民法725条において「親族」とは「3親等内の姻族」と「6親等内の血族」、「配偶者」とされています。
民法規定があるので一つの目安にはなりますが実際その範囲は広く、3親等は叔父・叔母・曾祖父母・曾孫・甥姪っ子、6親等ははとこ(「またいとこ」とも言いますね)・玄姪孫(げんてっそん・兄弟の子供の子供の子供の子供(4世代後))故人様の6世代後の子供(昆孫)などが6親等にあたります。
少子化が進んでいるとはいえ団塊世代やより年上の世代の方は兄弟が多い方が少なくなく、6親等に当てはめるとそれだけで葬儀規模はいわゆる一般葬へ近い大きなものになりかねません。
親交の深さを基準にする
現在の東京都民にしても2~3代遡れば東京都外出身の方が多いことから親類縁者が遠方に居る方も少なくなく、親族と言っても存在すら知らなかったといったケースもあります。
親族・血族とはいえ親交のない者どうしであれば親しいとはいえず、招かれても困惑するのではないでしょうか。逆にいわゆる血族でなくとも親交のあった親族の方ならお呼びするのが故人様と親しくしてくれた方への礼儀といえるのではないでしょうか。
葬儀規模を基準とする
家族葬に定義はなくとも親しさといったものが意義となり得ることから葬儀規模ありきではないと思いますが、おおよそ40~60人からの規模の家族葬なら6親等まで呼んだ方が良いでしょう。
また、一般的な家族葬の例として、
- 10人規模なら配偶者とその家族、故人様の子・孫
- 20人規模なら配偶者とその家族、故人様の子・孫に故人様のご兄弟
- 30人規模なら配偶者とその家族、故人様の子・孫に故人様のご兄弟に従兄弟・従姉妹、甥・姪まで
- 30人以上なら配偶者とその家族、故人様の子・孫に故人様のご兄弟に従兄弟・従姉妹、甥・姪に故人様が親しくしていたご親族
人数・規模を中心に考えれば上記例の様になると思います。
比較的近いところに住んでいれば親交ができやすく参列もあまり苦にならない、そういった親しさなどが家族葬という名前に合った基準と考えるのが自然ではないでしょうか。
故人の親交を計る
これは親族外、故人様の親友や長年家族ぐるみでお付き合いのあった方などを呼ぶかという場合です。
家族ぐるみのお付き合いなら判りやすいのですが、故人様がどなたとどう親しくされていたということが解り辛いケースは少なくありません。
幼少期・子供の頃はとても親しくしていたが、仕事や結婚といったことによる引っ越し等で疎遠になってしまっていた方などもいらっしゃると思います。
親類縁者であれば後々のお付き合いもありますのでそのあたりも加味して考え、それでもお悩みならそうした事情などを数多く見てきた葬儀社の方に相談するのも一つの方策です。