最終更新日: 2023年11月13日 無宗教での葬儀/自由葬
個の時代の葬儀のカタチ
近年は死亡年齢があがることによる故人様の社会的関わりの減少や、何よりもコロナ禍による葬儀規模の縮小が進み「家族葬」が定着しました。
ただ家族葬とひとことで言っても葬儀社などにより種類・内容が異なり、いざという時にどういったプランが良いか迷い挙げ句に葬儀社の言いなりで行ったら一般葬並みの請求が来た、そんな話も耳にします。
葬儀のプランを選ぶ・考えるにあたって、どのようにして故人様とお別れをしたいか・送りたいのかを考える必要があります。
もちろんお寺様の檀家であったり、信仰する宗教がある方にはこうした無宗教葬儀・自由葬などとは縁遠いものですが、その内容はたとえ仏式であってもお別れの際の参考になるものもあります。
ここではそうした無宗教でのご葬儀や自由葬について解説します。
そもそも無宗教での葬儀・自由葬とは
日本では葬儀といえば多くは仏式で故人様に対しては「成仏」といった言葉を使います。
しかしながら冒頭に書いた葬儀規模の縮小の他に、もともと他国と比べて宗教に対する信仰心などが薄い日本にあっては入檀(お寺の檀家になる)や戒名料など寺院へ支払う高額な費用に対する価値観が下がっており、成仏もなにも特に宗教に拘らないので宗教を以てお別れ・お送りするという考えはないが、お別れ・お送り=葬儀は行う。そこで費用のの嵩む宗教がらみの葬儀はせずに何らかの形で故人様を想い偲ぶ葬儀とする。そういった死生観・宗教観から少しずつですが、無宗教での葬儀のご相談が増えています。
例えば先祖代々のお墓の墓誌を見ると、近年のものから戒名ではなく俗名で刻まれているものが少なくないのも、仏教離れや拘らない方たちが増えていることの証左でしょう。
その式次第は
無宗教・自由葬ですから基本的に決まりはありません。
ただ多くの場合は仏式の流れを流用し、読経・焼香を故人様の動画上映やお好きだった音楽を流しながら(献湊という場合があります)お花を捧げるといったことに変えて行う式が多い様です。ある程度仏式に倣うことで参列した方に対し、葬儀の流れへの違和感を減らすことが出来ます。
また概ね通夜はなく一日家族葬という形態で執り行いますが、10人未満の少人数で行う場合などは告別式も行わず面会室などでのお花や副葬品を棺に入れる「お花入れ」の儀とお別れをしてから火葬をする火葬式の形で執り行うこともあります。
※「いしともの家族葬」では仏式の葬儀でもご参列の皆様に故人様を想い偲んでいただけるよう、写真や思い出の品を飾ったブースを設けるなどのお手伝いもさせていただいております。葬儀相談の際にご相談ください。
メリットとデメリット
無宗教での葬儀・自由葬のメリット
- 故人様やご遺族の意向で葬儀内容が決められる
- 宗教者へ支払う費用がかからないので同規模の仏式と比較すれば費用が下がる
- 位牌も仏壇も不要
- 仏式であれば行う四十九日・一周忌・三回忌など回忌法要を行わなくてよい(同じタイミングで墓参という形をとってもよいでしょう)
無宗教での葬儀・自由葬のデメリット
- 成仏といった概念の強い親族などがいる場合は理解を得難く、喪主様への不信につながる可能性もある
- 回忌法要などが無い分供養の場が物足りないと感じることもある
- 位牌も仏壇も不要だが、無いと不便かもしれない
- (お墓の事まで考えた場合)戒名でなく俗名で墓誌に刻まれる
メリット・デメリットそれぞれありますが、故人様の嗜好、宗教に対する価値とご親族などへの(宗教を重んじないことからくる)世間体など、葬儀費用、これらを総合して検討しては如何でしょうか。
無宗教での葬儀・自由葬へご参列の方へ
服装は、どのような恰好で参列すればよいか
基本的には黒のスーツに白のワイシャツに黒のネクタイ、女性の場合は黒のワンピースやスーツなど、概ね仏式の葬儀に参列する際に準じておけば問題は無いでしょう。
アクセサリーですが光物は外すのが無難です。
「平服でお越しを」という場合でもカジュアルな恰好ではなく、スーツの色をダークグレーなどにする程度が無難です。女性も地味で控えめなワンピースやスーツが無難です。
無宗教なのでダメということはありませんが、数珠は必要ありません。
香典について
香典は無宗教葬儀・自由葬でも必要です。
表書き・包む金額は仏式と同様とお考え下さい。渡し方も仏式と同様で構いません。
袱紗は仏教のみに関するものではないので、冠婚葬祭の一般的な礼儀として受付で袱紗から出して渡す流れで良いでしょう。
献花をする場合
仏式でいう焼香の代わりに献花をするケースが少なくありません。
一般的な献花の作法は次のようになります。
- ご遺族に一礼し花を受け取る
- 花を右手側(茎を左手側)に持ち祭壇・献花台前へ進む
- 遺影へ一礼し、茎側が祭壇へ向くように献花台へ置く
- 遺影に一礼し黙祷
- ご遺族に一礼し席へ戻る
施主様やご遺族により献花ではなくお線香をあげたり仏式同様の焼香をする場合もありますが、特に意識せず司会・進行に従って行えば良いでしょう。
無宗教でのご葬儀と自由葬をどのように考えるか
葬儀だけではなくお墓も先祖代々の一般墓から近年人気の樹木葬などと眠りの形も変わっており、家系より個人としてどう眠りたいかという事を考えられる方・ご家族が増えています。
仏教他宗教にはその教義などに多くの習う・良い点がありますが、こと檀家になるなどお願いをすると高額な費用が必要となりお墓の場合はそれが承継者の負担としても引き継がれます。
もしも信仰・信教にこだわりがなくまた、個人としてのこだわりをお持ちでしたら無宗教での葬儀・自由葬を検討してみてはいかがでしょうか。