最終更新日: 2023年11月13日 お葬式の後で-墓地・霊園探しのコツ
お葬式が終わると一息といったところですが、ご本家筋のご遺族などすでにお墓をお持ちの方なら問題はありませんがお墓をお持ちでないご遺族の方は埋葬・お墓のことを考えなければなりません。
こうした場合何から手を付けてよいかすら解らずお悩みになる方が多いと思いますが、まずは墓地探しについてのコツを紹介します。
※宗教・宗旨宗派に拘り・条件のある方はまず宗教・宗旨宗派を中心に寺院などを探してみましょう。
お墓の運営タイプを決める
現在は少子高齢化からくる継承者のいないお墓が問題となっています。継承者不在で手入れもされずひどい場合は数年も放置されたままのものも。
ですから何代先までも考えることはできませんが、継承者がいるかいないかで選択できる運営タイプが異なってきます。
近年のお墓のタイプは大きく4種類に分けられます。
一般墓
伝統的な墓石を使用したお墓で、「先祖代々之墓」といった彫刻がみられることもありますが継承されることを前提としています。継承されるであろうお子様・お孫様がいらっしゃれば安心ですね。
変わったものでは家族用(2体~4体)永代供養墓もあり、この場合継承者が不在となった場合に合葬墓へ改葬されます。管理料があまりかからないので、直系の継承者がいなくなってもお身内の方に継承を頼みやすいので人気となっていますね。
納骨堂
霊園などにもありますが主に室内でご遺骨を納めるスペースを備えた建物で、集合住宅のようなイメージになります。中にはオンラインで墓参ができるサービスのものもありますね。
継承は要・不要と納骨堂毎異なりますが多くの場合継承は不要のようです。
永代供養墓(合葬墓)
家系などには一切かかわらず他の方のご遺骨と一緒に納骨されるタイプのお墓で、継承は不要となります。継承される方がいらっしゃらない方は「永代供養」を前提としたプランを考えることが多いようです。
最近ではご夫婦二人分が入るマンションタイプの合葬墓などご要望・ご事情に合わせて選べるお墓が増えていますね。
樹木葬
墓石の代わりに樹木をお墓・墓標としたもので、人気が高く需要が増えています。
多くは継承不要で小さいながら個別の墓標がありその下(地中)に骨壺(通常の骨壺とは異なり粉骨にしたものを納める金属製のもの)や土に還るといった場合は粉骨にしたものを袋に入れを埋葬します。
お墓の場所/地域を決める
お墓の運営タイプを決めたら場所/エリアを決めましょう。
・自宅から霊園/墓地との距離と行き来の交通手段
・ご家族/ご親戚が通いやすいか
・継承墓の場合はお子様たちが墓参・管理しやすいか
継承者またはお身内の方の通いやすさを基本とし、継承墓の場合は将来的に万一継承者が途絶えたときのことも踏まえお身内の方の意見を取り入れながら決めるのがよいでしょう。
また継承墓でない場合は霊園・墓地により選択できる運営タイプが異なります、予め場所/地域にある霊園・墓地毎に調べておきましょう。
どんなお墓にするか
お墓の運営タイプに場所/地域が決まったら、どのような形のお墓にするかを決めましょう。ただし納骨堂・永代供養墓は基本的にすでにある合葬墓に埋葬となるので形を選ぶことはできません。
継承が前提となる場合は一般墓を選ぶのが一般的です。昔ながらの和形からデザイン性に富んだものもありますが、永く継承されるものなので石材屋さんとよく話をしてみましょう。
樹木葬については埋葬した上に小さな墓碑を置くことが多いので、その場合は小さくても墓石の色または形を選ぶことができます。霊園・墓地によっては故人様の趣味や奢侈に応じた形にできるものもあるようです。
樹木葬・納骨堂は一般的に定められた期間(5~30年程度)が過ぎると合葬墓に他の方と一緒に納骨されますが、霊園によっては永年のプランを用意してあるところもありますので、よく調べて検討をしてみてください。
石材からお墓を造る一般墓は初期費用も維持費(特にお寺の檀家となると毎年のお布施は高額)も高額になります。
永代供養墓・納骨堂はすでにある施設を利用するので費用が抑えられます。
樹木葬は小さくても墓碑を造りまた粉骨などの手間がかかるので永代供養墓や納骨堂より費用がかかりますが、利用している間は俗名での墓碑が残ることからご遺族様・ご友人が故人様を個別に供養できるので費用だけのメリットはあるようです。
公営霊園と民間霊園、それともお寺の墓地か
墓地・霊園は概ねこの3種に分かれます。
先にも書きましたが宗教・宗旨宗派にこだわる場合はお寺にある寺院墓地が良いでしょう。
法要・法事が執り行いやすく、管理も行き届いている墓地が多いです。檀家となれば子供・子孫まで祀ってもらえますし、お墓以外のことをお願いすることもできます。
ただ宗教・宗派が決められていることから制限がありますし、檀家となれば年間のお布施が高額になることも少なくありません。また新たにお墓を建てる場合は指定の石材店以外では建てられなかったり、購入できる墓石に制限があるなどのデメリットもあります。
公営霊園は自治体が運営主体なので墓地購入費用が民間霊園などと比べると概ね安く、石材店の指定、宗教・宗派による制限もないので自由にお墓を建てられます。
しかしながら特に首都圏の公営霊園の多くは常に改葬や墓じまいによる空き待ちの状態です。募集時期に応募をしても抽選に外れれば墓地購入ができません。
公営霊園の多くは遺骨がないと購入できないので予め購入しておくということもできず、抽選に漏れ続けるとご遺骨をご自宅に保管か霊園の納骨堂で仮納骨し続けることになります。
民間霊園は公営霊園より墓地価格が高い傾向にありますが、宗教・宗派に墓石の制限がなく生前購入も可能なので空きがあればいつでも購入できます。一種のサービス業にもあたるので管理・メンテナンスも行き届いていていつお墓参りをしても気持ちよく過ごせる霊園が多いです。
そんな民間霊園でもデメリットはあり、石材店が指定されていたり、サービス業故管理料などが公営霊園などと比べると割高な場合が多いです。
一口に墓地・霊園を探すといっても運営タイプ・墓地タイプ・場所の問題など考えることはたくさんあります。
終活というものがありますが、良く調べ考えたうえでお子様やお身内の方と話合い、予めご自分のご希望を伝えておくのが良いでしょう。