最終更新日: 2026年03月15日 「戒名」「法名」と墓誌の違い
お墓参りや法要の場で、「墓誌(ぼし)」「法名(ほうみょう)」「戒名(かいみょう)」という言葉を耳にすることがあります。
しかし「どれもお墓に関係する言葉だろう」という程度の理解で、違いまではよく分からないという方も少なくありません。
そこで今回は、この三つの言葉について、それぞれの役割に注目しながら意味と違いを整理してみます。
1. まずは「石のもの」か「名前」かを分けて考える
この三つを理解するうえで最も分かりやすい整理方法は、それが物なのか、それとも名前なのかを区別することです。
墓誌(ぼし)石でできた記録用の碑です。
そこに眠る人の情報を記録する、いわば「石でできた過去帳」のような役割を持っています。
戒名(かいみょう)仏教で授けられる仏弟子としての名前です。
※浄土真宗以外の宗派で用いられます。
法名(ほうみょう)こちらも仏教上の仏弟子としての名前です。
ただし、浄土真宗で使われる呼び方になります。
つまり整理すると、墓誌という石碑に、戒名や法名といった仏教上の名前が刻まれているという関係になります。
2. 「墓誌」はご先祖様の記録を残す石の板
「墓誌」という言葉は、「墓の記録」という意味をそのまま表しています。
墓誌の役割墓誌とは、墓石のそばに建てられている故人の情報を刻んだ石碑のことです。
ご先祖様の情報が書かれた、屋外に置かれる過去帳のようなものと考えると分かりやすいでしょう。
墓誌に記される内容
・そのお墓に納められている故人の名前(戒名・法名と生前の名前)
・亡くなった年月日
・享年(亡くなった年齢)
墓誌が設けられる理由一つの墓に複数の方が納骨される場合、墓石の正面だけではすべての名前を彫りきれなくなることがあります。
そのため、故人の情報をまとめて記録する場所として墓誌が設置されることが多いのです。
なお、墓誌の設置は必須というわけではなく、お墓によっては無い場合もあります。
3. 「戒名」と「法名」は宗派によって呼び方が違う
次に、戒名と法名についてです。
どちらも仏教の世界で授けられる名前ですが、宗派によって呼び方が異なります。
戒名(かいみょう)天台宗、真言宗、臨済宗、曹洞宗など、多くの宗派で用いられています。
意味としては、仏教の戒律を守る仏弟子としての名前です。
戒名は通常、
・道号
・戒名(中心となる名前)
・位号(信士、居士など)
といった要素で構成されるため、比較的長い名前になることが多いのが特徴です。
法名(ほうみょう)法名は、**浄土真宗(本願寺派・大谷派など)**で使われる呼び方です。
こちらは、親鸞聖人の教えに従い、仏法に帰依した者としての名前という意味を持ちます。
特徴としては、名前の最初に
「釋(しゃく)」または「釈」
という一字を付けることが決まりになっています
(例:釋〇〇)。
浄土真宗では、すべての人が平等に救われるという教えを重視しているため、戒名のように名前によって階級差をつけないという考え方が基本になっています。
葬儀や法要で使われる言葉には、普段の生活ではあまり触れる機会のないものが多くあります。
参列するだけであれば詳しく知らなくても問題ありませんが、喪主や施主の立場になると、こうした専門的な用語に触れる場面が増えていきます。
日常ではなかなか意識することのない言葉ですが、こうした機会に意味を少しでも知っておくと、いざという時に役立つかもしれません。