投稿日: 2023年12月23日 良いお墓・墓石店探しのコツ

良いお墓・墓石店探しのコツ近年では少子化に伴う承継者不足などからお墓を建てるより墓じまいをするご家族が増えています。
またご本家筋のご遺族などすでにお墓をお持ちの方なら問題はありませんが、お墓をお持ちでないご遺族の方はお墓を建てなければなりません。
こうした場合何から手を付けてよいかすら解らずお悩みになる方が多いと思いますが、まずは墓地探しについてのコツを紹介します。
※宗教・宗旨宗派にこだわり・条件がある方はまず宗教・宗旨宗派を中心に寺院などを探してみましょう。

公営霊園と民間霊園、それともお寺の墓地か、墓地・霊園の運営タイプを決める

墓地・霊園は概ねこの3種に分かれます。家系などで宗教・宗旨宗派がある場合はお寺にある寺院墓地が良いでしょう。法要・法事が執り行いやすく、管理も行き届いている墓地が多いです。檀家となれば子供・子孫まで祀ってもらえますし、お墓以外のことをお願いすることもできます。親類のお墓が同じ墓地にあるケースも多く承継が途絶えた時に対処してもらえるなどメリットもあります。
ただ宗教・宗派が決められていることから制限がありますし、檀家となれば年間のお布施は高額になります。また新たにお墓を建てる場合石材店が決められていたり、購入できる墓石に制限があるなどのデメリットもあります。

公営霊園は自治体が運営主体なので墓地購入費用が民間霊園などと比べて安い傾向にあり、石材店の指定、宗教・宗派による制限もないので自由にお墓を建てられます。
しかしながら特に首都圏の公営霊園の多くは常にいっぱいで改葬などによる空き待ちの状態です。募集時期に応募をしても抽選に外れれば墓地購入ができません。
遺骨がないと購入できない霊園が多いのであらかじめ購入しておくということもできず、抽選に漏れ続けるとご遺骨をご自宅に保管するか霊園の納骨堂で仮納骨し続けることにもなります。

民間霊園は公営霊園より墓地価格が高い傾向にありますが、宗教・宗派に墓石の制限がなく生前購入も可能、空きさえあればいつでも購入できます。一種のサービス業にもあたるので管理・メンテナンスも行き届いていていつお墓参りをしても気持ちよく過ごせます。
そんな民間霊園でもデメリットはあり、石材店が指定されていたり、サービス業故管理料などが公営霊園などと比べると高めになっている場合もあります。

お墓のタイプを決める

近年は少子高齢化で継承者のいないお墓が問題となっており、継承者不在では折角建てたお墓も無縁墓となってしまいます。
ですから何代先までも考えることはできませんが、継承者がいるかいないかで選択できる運営タイプが異なってきます。

現代のお墓のタイプは大きく4種類に分けられますが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを考慮してお墓のタイプを決めましょう。

一般墓伝統的な墓石を使用したお墓で、「先祖代々之墓」といった彫刻がみられることもありますが継承されることを前提としています。継承されるであろうお子様・お孫様がいらっしゃれば安心ですね。ただ先の事は判りませんので、いざという時のために永代供養付きを購入するご家族が増えています。永代供養付きにすると承継が途絶えた場合に霊園が墓じまいをしてご遺骨を合葬墓へと改葬してくれます、無縁仏になる心配がなく霊園により彼岸毎など供養もしてくれます。
変わったものでは家族用(2体~4体)永代供養墓もあり、この場合継承者が不在となった場合に合葬墓へ改葬されます。管理料があまりかからないので、直系の継承者がいなくなってもお身内の方に継承を頼みやすいので人気となっていますね。

納骨堂タイプここでの納骨堂は霊園にある一時預かり用などではなく、ひとつのお墓タイプとしての納骨堂を指します。
霊園などにもありますが主に屋外でご遺骨を納めるスペースを備えた建物で、集合住宅のようなイメージになります。継承は要・不要と霊園毎異なりますが多くの場合継承は不要のようです。

樹木葬タイプ墓石の代わりに樹木をお墓・墓標としたもので、近年需要が増えています。
自然に還る=土中埋葬とそうでないタイプとがあり、土中埋葬の方が概ね料金が高いものが多いようです。
継承不要な場合が殆どで、購入したところの下(地中若しくは収骨室)に骨壺か粉骨にしたご遺骨を埋葬します。骨壺を収骨室に収めるタイプでも骨壺では収骨数に難がある場合はお骨を粉骨にし骨袋や小さな容器に入れ変えて埋葬します。
最近ではファミリータイプ=4人用なども増えていて、予め入る方を登録することで承継者不在に備えるタイプも人気となっています。

合葬墓(合祀墓)タイプ家系などには一切かかわらず他の方のご遺骨と一緒に納骨されるタイプのお墓で、もちろん継承は不要となります。継承される方がいらっしゃらない方はこうした「永代供養合葬墓」を前提としたプランを考えることが多いようです。
最近ではご夫婦二人分が入るマンションタイプの合葬墓などご要望・ご事情に合わせて選べるお墓が増えています。

お墓の場所/地域を決める

お墓の運営タイプを決めたら場所/エリアを決めましょう。
・自宅から霊園/墓地の距離と行き来の交通手段の簡便さ
・ご家族/ご親戚が通いやすいか
・継承墓の場合はお子様たちがお墓参りしやすいか
このように継承者またはお身内の方の通いやすさを基準としながら、継承墓の場合は将来的に万一継承者が途絶えたときのことも踏まえお身内の方の意見を取り入れながら決めるのがよいでしょう。
また継承墓でない場合は霊園・墓地により選択できる運営タイプが異なりますので、予め場所/地域にある霊園・墓地毎に調べておきましょう。

どんなお墓にするか

運営タイプお墓のタイプに場所/地域が決まったら(デザインなどが出来るお墓の場合)どんなお墓にするかを決めましょう。
ただし納骨堂・合葬墓は基本的に既にあるものを使うのでデザインなどを決めることはできません。納骨堂タイプにはプレートの石種を選べたり、プレート表面に彫刻が出来るものがあるのでそうしたものを購入する際はご家族などで彫刻内容・デザインを検討しましょう。
継承が前提となる場合は一般墓を選ぶのが一般的です。昔ながらの和形から洋型またデザイン性に富んだものもありますが、永く継承されるものなので石材屋さんまたは総合供養サービス会社の石材担当とよく話をしてみましょう。

お墓の費用はどのくらいか

ここまでに紹介してきたお墓・埋葬方はその内容によりかかる費用・維持費も様々です。
一般的な相場感は次のようになります。
・一般墓・・・100万~350万円
・樹木葬(収骨が単独)・・・50万~150万円
・納骨堂・・・50万~150万円(二人用・四人用など家族用は70万~150万円)
・合葬墓・・・5万円~30万円
※掲載時点での相場感で、世情などにより変化します。

石材からお墓を造る一般墓は初期費用も維持費(特にお寺の檀家となると毎年のお布施は高額)も高額になります。
永代供養墓・納骨堂はすでにある施設を利用するので費用が抑えられます。
樹木葬は小さくても墓碑を造りまた粉骨などの手間がかかるので永代供養墓や納骨堂より費用がかかりますが、利用している間は俗名での墓碑が残ることからご遺族様・ご友人が故人様を個別に供養できるので費用だけのメリットはあるようで。

良い石材店選び

既にあるものを使う合葬墓や納骨堂また樹木葬ではなく、石塔等を建てる場合重要なのが石材店選びです。
ここで重要なのが運営タイプで、公営霊園の場合石材店を自由に選べますが、寺院墓地の多くは寺院の指定石材店、民営霊園も霊園で墓地販売を行っている石材店などに限定される場合が殆どです。
お墓も建築業になりますが、一般的な建築業と同様に外注率が高いほど高額となります。お墓を自社で制作する石材店であれば原価+加工制作費用+設置費用で済みますが、近年は職人さんの減少などで内製せず外注する石材店が増えていてその場合はその石材店による中間マージンもプラスされます。ここでも一般墓100万~350万と案内していますが、広さや石種にデザインなどで更に高額になりますし、相場感といっても本来言い値の様なものなので中間マージンを乗せられても解り辛いのが現状です。
それでも、同じプランで相見積りを取ることや、石材店に厚労商認定の一級石材施工技能士の資格があるかの確認をすることで、中間マージンや高い利益率を取る石材店での購入を防ぐことができます。
中間マージンということであれば、マッチングサイトでの石材店選びも避けるべきものとなります。様々な業界に蔓延るマッチングサイトですが、マッチングサイト運営会社からそのサイトに登録されている企業・業者への紹介料などは数パーセントから20%となり、特に墓石業界(葬儀社の紹介サイトもほぼ同様ですが)は20%程度取る運営が多くそれはそのまま価格となり消費者へと跳ね返ってきます。
運営タイプを決め、ネットで石材店を探す際はくれぐれもこうしたマッチングサイトから見積りや紹介を依頼しない様に注意しましょう。会員登録などのシステムが無くても、一度そこから見積り依頼などをすると係る石材店などは契約上直接消費者とのやり取りが出来なくなります。
見積依頼をすると数社から見積りが来る便利なシステムですがそれぞれ紹介料により価格が上がったものが届きます、ネットで検索する際はこうしたサイトに引っかからない様に注意しましょう。

一口に墓地・霊園を探すといっても運営タイプ・墓地タイプ・場所の問題など考えることはたくさんあります。承継のことや費用のことなどを考えるとどうすれば良いのか判らない、そんなケースも少なくありませんが、ご家族のことやご親族・家系のことから一つ一つ考え絞り込んで行けば理想のお墓について霊園タイプ・お墓タイプは絞れてきます。無用に高額なお墓で構わないというご家族はいらっしゃらないと思います、終活の一環として予めご家族やご親族などで絞り込んで決めておくのが良いでしょう。