最終更新日: 2023年12月06日 樹木葬で後悔しない豆知識

樹木葬で後悔しない豆知識
近年流行りの樹木葬、少子化などに伴う承継者不在のご家庭が増えたことや自然回帰といった考え~これまでのお墓の概念に捉われない方が増えたことから人気は増すばかりです。
霊園側もこうした世情を鑑みて樹木葬区画を新たに設けるなどしたことから様々なタイプの樹木葬も造られるようになりました。
樹木葬自体は数十年前からあり、初期のものは樹木の下に骨袋に入れ替えたご遺骨を埋める、(かなりの年月はかかりますが)本当に自然回帰するものでした。
近年は骨袋で埋葬するものの他金属のボトル(ステンレスなど錆に強いものなど)に移し替えて埋葬したり、一般墓の様に収骨室に収めるものやシンボルツリーに小さな墓標のあるものなど多様化が進みました。
樹木葬の価格はピンキリで数万円から100万円程度までと幅が広いものの一般墓と比べると安価で済むのでお求めやすいと思いますが、こうした中樹木葬にして後悔をしたという例もすこしずつ増えてきています。
もちろん埋葬された方ではなくそのご遺族・ご親族による後悔となりますが、その例をいくつか挙げてみたいと思います。

アクセスが不便

特に土中に埋葬するタイプの樹木葬墓地は遠隔地が多く、元気なころは通えていたが年齢を経て遠隔地である墓地への墓参がしんどくなる、そういったご遺族がいらっしゃいます。ほとんどの樹木葬は改葬不可が前提条件となっていますし特に土中埋葬は掘り起こし改葬することは困難です。
埋葬されている故人様はご希望通りの樹木葬なので良しとしたいところですが、もう少し話をしておけばよかったと思われるご遺族は一定数存在します。

墓石がないためお墓らしくない

最近はカロート=収骨室を設けお一人様から2~4名様以上まで収容可能な樹木葬もあります。そもそも樹木を墓石代わりにといった趣旨ですが、お参りする側からしたらどこに眠っているのかわからないなど、ご供養に物足りなさを感じられているご遺族がいらっしゃいます。
これは合祀タイプの樹木葬も同様で、シンボルツリーに手を合わせて供用の線香皿にお線香をあげるくらいしかできないのです。

費用が予想以上にかかる場合がある

これも近年増えているカロート埋葬式のものなどに纏わるもので、上物の石がないだけでカロート=収骨室は湿気などの対策をされて造られますのでそれだけで相応費用がかかります。
カロートのあるタイプは概ねプレート葬と合わせたタイプが多く、小さいながら墓石にお名前を彫ったり場合によりお好みのイラストなどを彫刻したりできますがそうなると一般墓との違いは面積と石の量だけとなり100万円を超えるものもすくなくありません。
霊園によっては一般墓と同様に年間管理料がかかるものもあり、樹木葬という本旨からずれてきてると感じられることがあるようです。

期間が設けられていて合祀墓に移された

合祀のものはそこから移ることはありませんが、カロート式のものなどは永代供養付きではあるが永代供養墓ではないことが多くあります。
永代供養付きと永代供養墓の大きな違いは前者がコトで後者がモノであることです。
今や承継者の心配から一般墓も永代供養付きが当たり前になっていますが、カロート式の樹木葬の多くは使用年数の決まった永代供養付きが殆どです。
このタイプのお墓の内容は年数指定か複数の方が入られる場合最後の方が入られてから何年後に合祀墓へ改葬となる、といったもので永年樹木の下カロートにといったものは極稀にしかみることができません。
これでは最初から合祀タイプにしていた方が費用がかかりませんし、購入されたことの本旨ともずれてくるので腑に落ちないと感じることがあるようです。

理解を得られず親族とトラブルになった

もちろん故人様とではなくご遺族とそのご親族との間でのことです。
埋葬・お墓に対する考えも人それぞれですし地方に行けば昔からの風習や因習が残っており石のお墓が当たり前といった考えも普通に残っています。
特に承継者不在の場合はともかく、承継者がありながら樹木葬を選ばれた場合はこうしたトラブルが起きやすくなります。

後悔・トラブルを回避するには

生前に樹木葬を選ぶ際にご家族はもちろん、ご親族の理解を得ておくことが重要です。
例えばお子様の代で承継が途切れると分かっている場合は、お子様含めてご家族で入れるタイプを選ぶと理解が得られやすいでしょう。
もう一つ重要なのは埋葬後の先々どうなるのか、ここをしっかり把握し親族の理解を得ておくことです。最終的に合祀墓に改葬されるタイプでもそれが本意であり、承継者がご不在ならご親族の理解は得られやすいかもしれません。
民間霊園の樹木葬の多くは生前購入が多いです、ご自身の本意に沿うかまたご親族の理解を得られるか、検討している樹木葬をよく把握しまた理解をいただくことで、後の後悔や不便を回避することに繋がります。