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お葬式でのマナーや作法

葬儀前の故人対面について:注意点とマナー

投稿日: 2025年06月21日 葬儀前の故人対面について:注意点とマナー

葬儀前に故人様とご対面する機会は、深い悲しみの中にあるご遺族にとって、故人様との最後の時間を共有する大切な場です。また、弔問される方にとっても、故人様と静かにお別れを告げ、ご遺族に心からの哀悼の意を伝える大切な時間となります。
この貴重な時間を有意義にするため、対面に際しての注意点やマナーを理解しておくことは非常に重要です。

葬儀前の故人対面とは

葬儀前の故人対面とは、通夜や葬儀・告別式の前に、ご自宅や安置施設などで故人様と直接お会いし、お別れを告げることを指します。これは、親しいご友人や知人、ご親族などが故人様と静かに向き合い、生前の感謝や思いを伝えるための機会です。

対面時の一般的な流れ

  1. 訪問前の連絡: 必ずご遺族に連絡を取り、対面が可能か、また都合の良い時間帯を確認します。突然の訪問は避けましょう。
  2. 訪問・挨拶: ご自宅や安置施設に到着したら、まずはご遺族にご挨拶します。
  3. 故人との対面: ご遺族の案内に従って故人様にご対面します。
  4. お別れ・退室: 静かにお別れを告げ、ご遺族に再度お悔やみの言葉を述べ、速やかに退室します。

注意点とマナー

故人との対面は、故人様への敬意とご遺族への配慮が何よりも大切です。

1. 服装について

  • 平服を基本に: 急な弔問の場合、喪服である必要はありません。地味な色合い(黒、紺、グレーなど)の平服を選びましょう。派手な色や柄、露出の多い服装は避けます。
  • 装飾品: 結婚指輪以外のアクセサリーは外すのが一般的です。

2. 訪問前後の連絡

  • 事前の確認は必須: ご遺族は葬儀の準備などで多忙を極めています。必ず事前に電話で連絡し、「ご迷惑でなければ、故人様にお目にかからせていただきたいのですが、ご都合のよろしい時間はございますでしょうか」などと丁寧に伺いましょう。
  • 長電話は避ける: 短時間で用件を伝え、ご遺族の負担にならないよう配慮します。
  • 訪問後のお礼: 後日、改めて弔問のお礼を伝える必要はありません。ご遺族の負担を増やさないことが大切です。

3. 入室時のマナー

  • 静かに、控えめに: 故人様が安置されている部屋に入る際は、静かにノックし、低い声で「失礼いたします」と告げて入室します。
  • 上着は脱いでから: コートなどの上着は玄関で脱ぎ、手に持って入室します。
  • 荷物は邪魔にならない場所に: カバンなどは邪魔にならない場所に置き、故人様やご遺族に背を向けないように注意します。

4. 故人との対面

  • 指示に従う: ご遺族から「どうぞこちらへ」と促されたら、故人様の枕元に進みます。
  • 一礼: 故人様の足元に正座し、ご遺族に一礼します。
  • 対面: ご遺族が故人様のお顔の覆いを外してくださったら、静かに合掌または黙祷し、故人様にご挨拶します。故人様に触れる場合は、必ずご遺族の許可を得てからにしましょう。
  • 言葉は簡潔に: 故人様へ語りかける言葉は心の中で、またはご遺族に聞こえない程度の小さな声で、簡潔に済ませます。生前の思い出話に浸りすぎないよう注意しましょう。

5. ご遺族への配慮

  • お悔やみの言葉: 対面後、ご遺族には「この度は誠にご愁傷様でございます」「心よりお悔やみ申し上げます」など、簡潔にお悔やみの言葉を述べます。
  • 忌み言葉を避ける: 「重ね重ね」「度々」などの重ね言葉や、「死ぬ」「生きる」「苦しむ」などの直接的な表現は避けましょう。
  • 故人様の死因は聞かない: ご遺族が話す場合は静かに聞きますが、自ら死因を尋ねることはマナー違反です。
  • 無理に励まさない: ご遺族は深い悲しみの中にいます。「頑張って」「元気を出して」といった言葉は、かえって負担になることがあります。ただ静かに寄り添う姿勢が大切です。

6. 写真撮影の有無

  • 原則禁止: 故人様との対面時や安置されている場所での写真撮影は、原則として禁止です。故人様やご遺族のプライバシー、また厳粛な場であることを尊重しましょう。

7. 長居しない

  • 速やかに退室: ご遺族は対面後も準備などで多忙です。故人様との対面を済ませたら、長居せずに速やかに退室しましょう。
  • 手伝いの申し出: 親しい関係であれば、「何かお手伝いできることはありませんか」と声をかけるのは良いですが、無理に押し付けず、具体的な指示があった場合のみ対応しましょう。

状況に応じた配慮

  • 特に親しい間柄の場合: ご遺族への寄り添い方がより深まるかもしれませんが、それでもマナーの基本は変わりません。悲しみを共有しつつも、相手の負担にならないよう細やかな配慮が必要です。
  • 遠方からの弔問の場合: 交通手段や宿泊の手配など、ご遺族に負担をかけないよう、できる限り自分で手配しましょう。

故人様との対面は、故人様への最後の敬意を表し、ご遺族に寄り添う大切な時間です。適切なマナーと心遣いを忘れずに臨みましょう。